A Story of ColorsOfJapanKyoto 第19回 革工房むくりの作りて・荒田さんのこと

 こんにちは。本日も当店にご来店いただきありがとうございます。

 京都市の北東部、加茂川と高野川が合流して鴨川となる三角デルタ。その側に世界遺産として知られる下鴨神社があります。糺の森を挟むようにしてその西側、下鴨本通に”革工房むくり”さんはあります。ColorsOfJapanKyotoでも出品いただいている、代名詞的な車掌鞄を始めトートバッグやお財布、そしてもう一つの代名詞である、リングケースなどの革製品の制作・販売しています。

 ”むくり”という名前は日本の伝統的な建築様式”てりむくり”という言葉から。柔らかく膨らんだカーヴを意味しています。名は体を現す、という通り革工房むくりさんの作り出す作品は柔らかな曲線を含んだどこか女性的なラインで構成されています。実際に手にとって触れてみるとこの流線は非常に手触り良く、作りてのセンスを感じます。

 「”てりむくり”自体伝統的。自分が作りたいものは、ノスタルジー(郷愁)を感じるのもので、それを製品に表現したくて。まさにてりむくりがそういうもので、それを感じてもらえたらと思っています。」

 そう語るのは、デザイン・設計を担当しているのは店主でもある荒田覚(あらた さとる)さん。一見無骨・で頑固そうな、男性です。しかし実際話してみると、とても穏やかに話す落ち着いた方で、いつもはにかんだように話すのが印象的です。

 もともと、メーカーの技術畑で働き、長期の海外赴任経験も。しかしある時一念発起し、学校に入り直し、イチから革の勉強を。また現在京都市で活躍される革の師匠(sousouとコラボしたブーツで知られる吉靴房さんも)たちと出会い、大きな刺激を受け、独立。現在は工房にて3人体制で製品の制作・販売を行っています。

 お店を持たずクローズされた工房で集中して製品をつくる作りても多い中、お客様が作品を手に触れることができるショールームを工房に併設。定番品以外にもオーダーメイド(フルオーダー)で作品を制作することも。

 「(ショールームを開けていると)いろいろな人との出会いがあるのが楽しいですね。下鴨神社の帰りにふらっと寄ってくれたりして。そこでオーダーしてくれた人が喜んでくれたら嬉しいです。」

 技術系の仕事の経験からか、オーダーはざっくりとした説明だけでも、荒田さんの頭のなかで一枚革からどうパーツを切り出して組み上げるか設計図が出来ていきます。

 

 「もともとこのあたり(工房のある下鴨・出町柳エリア)に住みたいって思っていました。それが今ではお店を構えるようになるとは。京都出身でもあるし家族もいるこのホームタウンをもっともっと知っていきたいですね」

 革工房むくりさんは、ショールームを常時オープン(10:00~18:00 ただしイベント出店等により臨時休業あり)。下鴨神社・糺の森で定期的に行われる手作り市にも出店されています。