A Story of ColorsOfJapanKyoto 第17回 タナカ製陶さんの新作についてのこと

 こんにちは。本日も当店にご来店いただきありがとうございます。前回のブログエントリーから少し時間が空いてしまいまいしたが、また定期的にUPしていこうと思います。

 今週タナカ製陶さんの作品群第二弾・5作品をUPしました。今回は第一弾のときと同様、商品ページには書いていない補足的なことをいくつか。

 今回は作る作品ごとにテーマが大きく変化するものばかりです。ヨーロッパ風のものあり、安土桃山時代以前から伝わる日本古来のモチーフあり、また作りての田中さん自ら採取してきた粘土を使用し、土の香りを思わせるものあり、と変化に富んでいます。また今回初めて酒器のセットが加わり、八角皿と併せてコレクションが充実してきています。

 新作完成のご連絡を頂き作品群をお預かりした瞬間から、どう動画を作って紹介文を制作するか楽しくも悩ましい日々でした。結果としてUPまで非常に時間がかかってしまい、この場をお借りしお詫びいたします。田中さん大変お待たせしてすみません。以下それぞれの作品の補足(あるいはカバー下かも)などです。

・白磁陽刻大鉢(はくじようこくおおばち)

 彫り込むことで浮かび上がらせるレリーフと違い、浮き上がるような(陽刻)の文様が縁に細かくあしらわれています。これが余白として隠れないようアピールしたい、と考えました。が、白地なためその微妙な陰影は残念ながら画面上ではあまり上手く表現できませんでした。

ヨーロッパの食器によく見られるこういった文様は収獲の豊穣や食卓の豊かさを願ったものが多く、また家紋代わりとして使われていたりもします。

 嵯峨野の畑で収穫した蕪を塩と少量のオリーブオイルで蒸し上げ、やや緩めにした白味噌の餡をかけ、最後に水尾の柚子の細切りにしてあしらってみました。この時期の味覚同士をかけ合わせています。

 

・灰秞酒器(はいゆうしゅき) ぐい呑み

 先日ちょうど読んだばかりの本に、片口をお茶の見立てとして使用する、という話がありました。その本のままに湯溢しとして使うのもよしですし、容量の一合(約180ml)だとコーヒーのドリップにも使えるなと思いました。

動画にはありませんが実際にドリップしてみると一杯分にちょうど良いです。

ぐい呑の上に使い終わったドリッパーを置いて茶溢しとしても使ってみましたがこれもなかなか面白いかもしれません。

もちろん酒器として使用するのがベストです。撮影に使った日本酒は京都市右京区で作られています。あとで時間をかけてゆっくり頂きましたが時間を経るにつれ味の変化がありなかなか楽しめました。

 

・染付独楽紋大鉢(そめつけこまもんおおばち)

 白地に青の染め付けが印象的な大鉢。回転する独楽のような文様ですが、撮影の際は鉢にお湯を注ぐ目盛りがわりとして役立ちました。使用しているインスタント麺は作りての田中さん直々の指定でした。少し前の連続テレビドラマのモチーフにもなった有名商品で、それを使用する料理レシピもちょっと調べるだけでものすごい数でてきます。ただ、最終的には原点に戻ってお湯を掛けるだけが一番うまい,というコメントもちらほらと。撮影はそれだけだと画面上の動きもなくすぐ終わってしまうので、作品の形状を活かし、ほんの少しだけアレンジしています。食べ盛りの男の子だと、部活の後などに、この鉢に3人前ぐらい作ってペロッといきそうです。

 

・灰秞大鉢(はいゆうおおばち)

 作りての田中さん自ら山に入り掘りあてた土、ということで思い入れも強い作品だと思います。採取した土の特性を全面に出したどちらかというとプリミティブな魅力のある厚みのある鉢です。料理用としてだけでなく果実、今の時期なら林檎や柑橘類などを盛ってテーブルの上において置くのも絵になります。

  動画ではシンプルに冬瓜を炒め最後にとろみを付けてみましたが、鉢の中で上手くまとまって盛ることができました。途中で落花生を砕いて(その場面は無いですが)足しています。厚手の鉢なので料理も冷めにくく、またそのインパクトからテーブルの中心に置きたいですね。


・白磁八角大皿(はくじはっかくおおざら)

 お皿をお預かりした際の初見では、プレートランチかパスタ料理を盛る予定でしたが、食材の調達・撮影タイミングなどの諸事情が有り、鳥の胸肉を酒蒸しして嵯峨野産わさび菜を添えたものとなりました。

 これはネットの某サイトで提唱されている”酒蒸し法”という料理法ですが、撮影当時何にでもこの料理法を試していました。画面から美味しさが伝わりにくい地味な絵面となっていますが、ふっくらと衝撃的に美味しく仕上がっています。撮影ではスキレットを使っていますが、普通のフライパンにフタでもぜんぜん大丈夫でした。地域の寄り合いなどで、このお皿いっぱいにおにぎりやお稲荷さんなどが盛られて出てきても嬉しいですね。

 

 田中さんの作る器を見て、これをどう使おうかな、何を盛ったらいいかなとあれこれ考えるのは楽しいですね。焼き物のカテゴリーで言うと京焼と言うことになるのかもしれませんが、手に入れた方は枠にとらわれずいろいろな使い方を試して、ご愛用頂けたらいいなと思っています。