A Story of ColorsOfJapanKyoto 第13回 珈琲焙煎所旅の音さんオーナー北辺さんのこと

 左京区元田中にある、珈琲焙煎所旅の音さん。コーヒー専門店が多く集まる同エリアの中でも人気のお店の一つです。決して交通の便が良いとは言えない住宅地の中にあるにもかかわらず、ここを訪れるお客さんは絶えません。オーナーの北辺さんは10代の学生時代から自家焙煎を始め、ずっとお店を持ちたいという夢を温めてきました。実現させる資金を調達するために平日は会社員として働き、週末に町中の店舗を間借りして珈琲店経営の試行錯誤の日々を送っていました。

 そんな日々の中でも大事にしていたのは、生産者の声を届けたいという気持ち。まだ、お店をオープンする前に海外に視察に出て、生産の現場を見てきました。そうして”旅”で聞いた生産者の声を”音”として持ち帰りそれを伝える場を作りたいという思いから、オープンする店を”旅の音”と決めたそうです。

 ただ、オープンが彼の目的ではなく、そこから加速度的にいろいろなことを実現してきます。実店舗の入っている元美術学校の商業施設THE SITEを開放して開催するマーケットは回を重ね人気イベントに。空間プロデュースやクラウドファウンディングを利用しての新商品開発・販売。2店舗目を京都御所そばにオープンそれと並行し海外の生産の現場を視察し報告会を開催等など、非常に精力的に活動を行っています。

 大げさでなく数え切れないほどの珈琲店が林立する京都にあって、ただの喫茶店、コーヒー専門店の枠をすでに超え、今やサロンのようになっている旅の音さん。そこに集まるお客さんもコーヒー好きの枠を超えています。特にお店が位置する元田中周辺では様々なものづくりをする作家さんが多く、その人達が集まる憩いの場、あるいは情報交換の場、または新たなる出会いの場であったりします。その繋がりのなかからまた新しいものが生み出されるそんな場になっています。

 オーナー北辺さんの熱量は一層熱く、さらに先を見続けています。その魅力に多くの人は惹きつけられるんでしょうね。もちろん、ぼくもその一人です。